信行印刷株式会社

UVニス・コーティングとは 
<インライン・ニスコーティング>

当社のUVニスコーティングの種類

当社でできるUVニス・コーティングは5種類あります。

(1) UV OPニス(Over Print ニス)
(2) UV Lグロスニス
(3) UVマットニス
(4) UVスポット・コーティング
(5) UV擬似エンボス

表面保護と高級感としてのニス・コーティング

表面加工とは・・・
(1)表面保護・・・印刷面をキズや汚れから防止する。
表紙やカバージャケットなどのように印刷面を保護したり、パッケージで耐水性や耐摩擦性、耐熱性などを高め、印刷物に強度を与えることを目的としています。

(2)高級感・・・印刷をより美しく魅せることで商品のイメージをアップさせる。
高級書籍の表紙や化粧箱などの表面は、より光沢を出したり、マット調にしたりして高級感を出します。

高い経済性と環境にやさしい

表面加工にはニスコート、ラミネートPP加工、プレスコート、ビニール引きなどがあります。

ニスコート  ※当社内で加工。

ニスコートには、2方式があります。
(A)インキつぼ(インキを入れる場所) にインキと同じようにOPニスを入れる方式。つぼニスとも言います。
(B)Lコーターという独立したニス・コーティング装置にツヤ出し用のグロスニスを入れる方式です。

A : OPニス(つぼニス)

(1)OPニス(Over Print ニス)※通常、ニスと言うとこの「OPニス」を指します。

表面に透明な油性溶剤を塗りツヤを与え、色落ちを防止します。そんなにツヤは出ません。
キズ、汚れ防止機能は他の表面加工に劣りますが、 印刷と同時に加工するので低価格です。

(2)OPマットニス

OPニスと同様の方法により、つや消し効果を与えます。

B : Lグロスニス(ニス・コーティング装置)

光沢とつやのあるニスです。

PPラミネート加工  ※外注加工業者に依頼。

(1)PPフイルム貼り

プラスチックフイルムと紙を貼合し、強い光沢を出せる加工です。近年では環境問題からポリプロピレンフイルムを使用しています。ちょっと高価ですし、加工日数もかかります。

(2)マットフイルム貼り

PPフイルム貼りと同様の方法でつや消し効果があります。
マットビニールよりさらに落ち着きがあり、高級感のある仕上がりになります。

プレスコート  ※外注加工業者に依頼。

印刷面に溶剤を塗った後、ローラーで圧力をかける加工で強い光沢を与え、印刷面を十分に保護します。
ニス、ビニール引きに比べて、高価です。現在最も多くの表面加工方法として、カタログの表紙やパッケージで使用されています。

ビニール引き  ※外注加工業者に依頼。最近はほとんど依頼がありません。

ビニール引きには、2種類あります。
(1) ビニール引き

塩化ビニールを塗りツヤを与えます。
キズ、汚れ防止機能はニスよりも優れ、比較的安価なので、使用されています。

(2) マットビニール引き

ビニール引きと同様の方法により、つや消し効果を与えます。
マットニスよりも高価ではありますが、より深く、落ち着きのある仕上がりを得られます。

・通常、プレスコートやPPラミネート加工などは、印刷終了後に別の機械で加工作業したり、外注業者で加工されます。 ・【パウダー残りに注意】印刷時の裏着き防止のために塗布するパウダーを取り除かないと、外注業者にPPラミネートやプレスコートを依頼する際に、パウダーが残り、表面がザラザラしたり気泡フォークリフトが発生して白抜けが起きます。 通常の油性オフセット印刷ではパウダーを使用しますので、必ずパウダー取り(粉取り)が必要となります。 当社は、UV印刷なのでパウダーを使用していませんのでパウダー取り(粉取り)は不要です。 ・当社は、UV印刷ラインにニスコーターを取り付けていますので、表面加工まで含めて一つのラインで作業ができるワンパス・インラインも可能になっています。 ※通常はワンパスではなく、印刷後、一旦機械から印刷物を降ろして、再度積み直してからUVニスコーティングを行います。 ・また、インキとニスの相性から、UV印刷にはUVニスコートが選ばれます。 ・作業効率の上で優位なインラインのニスコートは、近年、環境問題や紙リサイクルの観点からも注目が集まっています。  
表面加工の比較ビニール引き水性ニスプレスコートPPラミネートUVコート
強 度
平滑性
耐摩擦性
耐寒性
耐熱性
耐湿度性
耐水性
耐 薬 品 性
1%NaOH×
5%酢酸
エタノール×
ベンジン×××
後 加 工
マット加工
糊付け
箔押し
リサイクル××

UVニス・コーティングのメリット(長所)

・UVニスコーティングは、紫外線を照射すると、数秒のうちに乾燥します。
UV印刷と同様に、乾燥に熱エネルギーが不要で、しかも乾燥時間が大幅に短縮されるため、生産性が高くて省エネルギーです。

◆対摩擦性・耐薬品性・耐溶剤性

・UVニスコーティングは極めて強靱な皮膜ですので耐摩擦性が強くなっています。
特にパッケージなどの紙器の場合、輸送中に互いに擦れ合って擦り傷が発生するのを防止します。
・また耐薬品性・耐溶剤性もよくなります。

◆透明性がある

・透明性に優れているため、印刷インキの色合いを損なうことがないので、デザインの訴求力が落ちることはありません。

◆光沢性がよい

・一般のOPニスに比べて、表面が平滑になり、プレスコートに近い光沢があります。
・ただし、鏡面のような平滑度は、残念ながらプレスコートより劣ります。

◆経時変化での「黄変」が少ない

・プレスコートや油性ニスに比べて、経時変化での「黄変」が少ないと言われます。

◆経済性が高い

・多くの表面加工が印刷後、約12時間の乾燥時間を経て、印刷とは違う機械で加工を行います。
それに対して、UVニスコーティングはUVオフセット印刷と同時にニスを塗布するインライン方式なので、乾燥時間がかからない分、生産性が高く、プレスコートと比べコストも安くなります。

◆環境にやさしい

・UVニスコーティングに使用される原材料はほぼ100%が樹脂です。
一部の例外を除いて有機溶剤を使用しないので環境問題にも適合しています。
無溶剤ですので大気汚染を起こさず、環境にやさしい技術です。
・UVインキと同様に、VOCを含んでいません。また同様に、環境ホルモン該当物質も含んでいません。
・またビニール樹脂やフィルムをラミネートする表面加工と違って、UVニスコーティングされた製品は古紙の再利用ができます。

◆特殊な印刷効果が出せます。「UVスポット・コーティング」「UV擬似エンボス」

・さらにマットニスと艶のあるグロスニスを部分スポットで使用すれば、艶出しと艶消しのコントラストを活かした、商品の高級化やイメージアップにつながるデザインができます。

UVニス・コーティングのデメリット(短所)
・UVニス・コーティングにも、欠点・短所があります。決して良い点ばかりではありません。
以下に列挙した欠点・短所は当社で実際のです。これ以外にも短所、欠点があると思います。

◆背割れを起こす

・UVニスコーティングは極めて強靱な皮膜ですので、固いので逆に言えば、割れが出ることがあります。
特に折り加工で「背割れ」を起こす場合が多くあります。

◆用紙、厚みに制限があります。

・上質紙など吸湿性がある用紙には、ほとんど効果がありません。
・また、薄い用紙もカールがひどくなり苦手です。
・用紙全てを検証したわけではありませんので、不明な用紙は事前にテストをお願いします。

◆ニス独特のベタ着き感がある

・どうしても表面にニス独特のベタ着き感があります。サラッとした感じではありません。

◆通常の油性オフセット印刷の上にニス・コーティングはお勧めできません。

・油性オフセットで印刷された表面にUV・ニスコーティングをすると、はがれたりする可能性があります。ニスメーカーからも避けるよう指導されています。
油性オフセットで印刷された場合は保証できかねます。

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