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UV印刷の長所
1.UVインキは無溶剤—省エネです
・UVインキは無溶剤なので、オフ輪に比べて大掛りな設備が不要
オフセット輪転印刷(オフ輪)インキは溶剤が蒸発することで、インキが紙に固定(乾燥)されます。 この乾燥に, UVインクは無溶剤大きな火力を使用するオーブンを使用します。
さらに、オフ輪インキから出る溶剤、オーブンから排出される排ガス等に大掛りな処理設備が必要です。
オフ輪と比較すればUV 印刷は、乾燥するのに小型UV照射設備で済むので、省エネです。オーブンから多量に排出される炭酸ガスもありません。
(ただし、 通常のオフセット印刷機に比べれば、UVランプ設備、クーリング装置など付帯設備が必要になり、設備にお金がかかります。もちろん電気代もバカになりません。トホホ・・・)
・また、当社では、高品質と高生産性を維持するためには、工場内の温湿度管理が重要との考えから、印刷機が稼働する際、発生する各種熱を効率よく除去する水冷システム「スタークーリング」を採用。
水冷システムですから、空調システムへの負荷を最小限に抑えることができ、排気ダクトも必要なく、工場内の温湿度も改善され、大きな省エネ効果があります。
2.UVインキは無溶剤—環境対応型です
・UVインキは無溶剤であり、大気中に溶剤を放散するがなく環境に優しいインキです。
・オフ輪のようにオーブンから多量に排出される炭酸ガスがありません。
3.インキの環境への負荷 (1)VOC対策
UVインキはVOCを含んでいません(Non-VOCインキです)。
通常のオフセット用油性インキはVOCを含みます。
通常のオフセット用油性インキは石油系溶剤(軽油)を乾燥促進剤として使用しています。
●大気放出されると・・光化学オキシダント・酸性雨の原因となります
●室内放出されると・・シックハウス症候群・自立神経障害を起こします
また、100%大豆油に置換された油性インキ(SOYインキ)でも、Non-VOCへの完全な切替はできません。

印刷インキに使用されるVOC成分 | ||
トルエン | 26.00% | これら4物質で印刷インキに使用されるVOC全体の62.0%を 占めています。 ほとんどが、特殊グラビア及び 出版グラビアで使用されています。 |
酢酸エチル | 14.20% | |
メチルエチルケトン(MEK) | 11.80% | |
イソプロピルアルコール(IPA) | 9.60% | |
高沸点溶剤 | 26.00% | オフセット輪転で使用 |
その他 | 12.00% |
(社)環境情報科学センター「平成14年度揮発性有機化合物(VOC)排出に関する調査報告書~VOCインベントリ~」より
VOC(揮発性有機化合物):常温常圧で揮発する人工的に合成された物質
VOCとはVolatile Organic Compoundsの略。沸点が低く常温でも空気中に揮発しやすい有機化合物の総称で、印刷溶剤に含まれるトルエンなどがあげられます。
油脂類の溶解能力が高く、分解しにくく安定していて燃えにくい性質から、1970年代には理想の洗浄剤として産業界で普及しました。
しかし、吸入による頭痛やめまい、腎傷害などの有害性・発ガン性などが指摘されています。
大気・水域、特に地下水汚染の原因となるほか、住宅のシックハウスの原因汚染物質として危惧されています。
トルエン
無色で特有の臭気があり石油からベンゼン,キシレンとともに製造される。
水には極めて難溶。常温で可燃性があり引火しやすいので取扱い時には火気に厳重に注意する。
揮発性が高い。アルコール類、油類などをよく溶かし、溶媒として広く用いられる。
喉や目に刺激があり、頭痛、疲労、脱力感などの神経症状を起こし、高濃度で密閉した室内では麻酔作用でがあり、毒性が強く、極めて危険(急性シンナー中毒)。
毒劇法により医薬用外劇物に指定されている。
トルエンが塗料や樹脂などの建材の溶剤として用いられて室内に放出され、シックハウス症候群の物質のひとつといわれている。
PDFアイコン印刷産業におけるVOCの使用・排出抑制の現状
4.インキの環境への負荷 (2)環境ホルモン
1.UVインキは環境ホルモン該当物質の含有はありません。
2.一般油性インキは、環境ホルモン該当物質を使用しています。
樹脂: 約0.1%レベルの含有
ノニルフェノール:樹脂などの添加剤・合成洗剤の界面活性剤などに使用。12~810ppm含む。
パラオクチルフェノール:油溶性フェノール樹脂や界面活性剤などに使用。47~1540ppm含む。
※大豆油に置換された油性インキ(SOYインキ)でも同じ樹脂を使用。
5.インキの環境への負荷 (3)塩素
塩素は、UVインキ・油性インキ、どちらも使用されています。
カラー 印刷に必須である黄インキ顔料は塩素系なので、UV、油性インキに共通な問題点。
塩素フリーUVインキ「黄」の開発→ 塩素フリーUVインキ「黄」への全面切替が必要となります。
塩素フリーUVインキ「黄」 従来に比較して破格に強い耐光性
一般的に黄インキは最も退色しやすいインキであることが広く認知されています。塩素系顔料を除去して置換した顔料の耐光性は既存品に対して格段に高く、カーボンアークフェードメーターによる120時間後の△Eによる比較では約22倍という結果が出ています。